年に100席の落語をこなすことを自らに課している、と語る鶴瓶氏の今や恒例となった「落語会」。前回は「死神」をメインとしたプログラムだったが、今年のメインは名人、古今亭志ん生の十八番「お直し」である。
有名な廓話で、もとの舞台が吉原のところを、鶴瓶は大阪の新町に移して
話を展開する。その力のこもった話術に思わず引き込まれる。
冒頭のスタンダップコミック的な日常話から始まり、創作落語をふたつ(どちらも中身の濃いもので、お腹が痛いくらい笑った)話した上でメインの話だから、かれこれ2時間半近くしゃべりっぱなし。そのエネルギーはどこからくるのだろう。
こんどは「鶴瓶話(日常の話をおもしろおかしく話すスタイル)」だけを聴きにいくというのも贅沢な楽しみかもしれない。ますます噺家として油ののってきた鶴瓶だ。
2011年11月20日日曜日
2011年10月22日土曜日
Steely Dan - Jazz/Rock Ambassador To The Galaxy/ October 14 at The Palms /Nevada
2009年以来のツアーライブである。全米30ヶ所以上の本格的ツアーで、どうやらオーストラリアとニュージーランドツアーも追加されたようだ。
とにかく、アメリカで見る初めてのSダン。地元ならではのノリとリラックスさがミックスした実に大人なライブでした。イントロの「Dizzy's Bidness」とアウトロの「Last Tango In Paris」は二人をのぞくバンドのインストゥルメンタルだが、これだけでも聴きもの。とにかくPAのバランスも素晴らしいし、それぞれの演奏能力も只者ではない。2006年に六本木ビルボードライブに来日したときのメンバーが多数を占めているが、このツアーからの参加組もいるようだ。
ウォルターとドナルドが登場すると会場全体が総立ち。「Your Gold Teeth」そして「Aja」と始まったライブは実に2時間20分を越えるロングバージョン。もちろん、みんなが聞きたい「Josie」「Peg」「Babylon Sisters」などが後半のクライマックス。エンディングは会場全体で「My Old School」を熱唱というしかけだ。
アンコールはおなじみ「Kid Charlemagne」。ギターのジョン・ヘリントンの素晴らしいソロも堪能した。東京でもプレイに感心したドラムスのキース・カーロックはますますバンドに溶け込むと同時にシャッフルをはじめとしたシュアなドラミングを2時間続ける体力にも脱帽しました。早く日本に来て欲しいものですね。
とにかく、アメリカで見る初めてのSダン。地元ならではのノリとリラックスさがミックスした実に大人なライブでした。イントロの「Dizzy's Bidness」とアウトロの「Last Tango In Paris」は二人をのぞくバンドのインストゥルメンタルだが、これだけでも聴きもの。とにかくPAのバランスも素晴らしいし、それぞれの演奏能力も只者ではない。2006年に六本木ビルボードライブに来日したときのメンバーが多数を占めているが、このツアーからの参加組もいるようだ。
ウォルターとドナルドが登場すると会場全体が総立ち。「Your Gold Teeth」そして「Aja」と始まったライブは実に2時間20分を越えるロングバージョン。もちろん、みんなが聞きたい「Josie」「Peg」「Babylon Sisters」などが後半のクライマックス。エンディングは会場全体で「My Old School」を熱唱というしかけだ。
アンコールはおなじみ「Kid Charlemagne」。ギターのジョン・ヘリントンの素晴らしいソロも堪能した。東京でもプレイに感心したドラムスのキース・カーロックはますますバンドに溶け込むと同時にシャッフルをはじめとしたシュアなドラミングを2時間続ける体力にも脱帽しました。早く日本に来て欲しいものですね。
2011年10月21日金曜日
O - CIRQUE DE SOLEIL/ October 12 at Hotel Bellagio, Las Vegasr
久しぶりのシルク・ド・ソレイユのステージ。3年前にラスベガスに来たとき、「KA」と「ビートルズのLOVE」を見て、そのステージ構成の素晴らしさと舞台装置の巧みさに感動したが、今回もそれ以上の素晴らしさに感心しきりであった。とにかく、舞台における「水」の使い方の妙味と演出のそれこそ針を通すようなタイミングのスリルといったら。。。
出演しているパフォーマーの実力は言うに及ばず、この舞台というかプールというか変幻自在の水舞台はなかなか言葉では語りつくせない。シルクの舞台の特徴が、かならずどのステージにも登場するピエロだ。この「O」にも出てくるが、ここでは物語のMCのような役割を果たしている。
オープンしてから13年が経過しているにも関わらず、相変わらずチケットの入手が困難だという人気ステージだという。これを見にラスベガスに行く価値のあるショウといえるでしょう。
2011年9月19日月曜日
Gino Vannelli / September 19 at Cotton Club
1978年の大ヒットアルバム「Brother to Brother」やそれに続く「Nightwalker」で日本での人気も高いジノ・ヴァネリ。昔から一度はライブを体験してみたいアーティストのひとりだった。昨年仕事でミラノに行ったとき、ミラノのBluenoteでライブをやっている情報を手に入れたのだが、日にちが合わず実現しなかった。それがようやく東京で実現! 日本には13年ぶりの来日だという。前にも来ていたとは知らなかった。
ともあれ、youtubeなどで見聞していたライブ姿以上にかっこいいスタイル。とても1952年生まれとは思えない若さだ。声も油の乗り切ったところのようで、実にいい響きのヴォーカル。6人編成のバンドも達者な実力者ばかりで、6人とは思えない音の厚さと広がりは期待以上だった。キーボードはひとりなのに、ピアノとシンセが同時に鳴るサウンドはどうやって作っていたのか、実に不思議だ。
ともあれ、昔はキン肉むきむきのマッチョブリをアピールしていたたが、年をとって落ち着いた姿は見ていても安心できる。曲目はおなじみ「I just wanna stop」とか「Brother to brother」などの昔の曲と最近の曲が半々という感じ。
MCでは日本の大震災をテレビでみていて日本人の高潔さに打たれたという話をしたり、とても好感のもてるキャラクターでもあった。また、ぜひ見てみたいものだ。
2011年9月6日火曜日
Michel Legrand Trio/ September 5 at Bluenote Tokyo
フランスが誇るマエストロ、ミシェル・ルグランのジャズトリオがなんとブルーノート東京で実現した。御年79歳であるはずだが、いやいやそのプレイの激しいこと。オスカーピーターソンと見紛うほどの手数。細かいフレーズがあとからあとから湧いてくるプレイは豪快そのもの。ベースやドラムスとの息もぴったり。ほんとに素晴らしいアーティストだった。
この回では「僕の曲以外は演奏しないよ」と宣言し、自作曲ばかりを演奏したが、そこは名曲の数々「風のささやき」「ロシュフォールの恋人たち」など、ジャズっぽくもあり、シャンソンの繊細なため息も聞こえるような、まさにルグランならではの曲に酔いしれた。
アンコールはもちろん大出世作「シェルブールの雨傘」のメインテーマ。そういえば、この映画、すべてのセリフが歌だって、知ってました? ぜひ一度御覧ください。いちど歌ってみたいですね「mon amour」とか。。。
小倉久寛「ダンス天国」/ September 4 at Theater Sun-mall
独り立ち公演の第1回「踊る職業不安定所」、第2回「ウノ・ドス・トレス」にひき続いての第三回公演。今回は演出にラ・サール石井を迎えてさらに中身の濃い舞台に仕上がったな、という感想だ。心臓発作によってあの世に行ったはずの主人公。生きていたときの行いからは地獄行きが当然だったのだが、なんど神様(声は御大、伊東四朗)の裁定により、もう一度地上に降りて「良いこと」をしたら天国に入れてもらえることになった。はたして。。。というストーリー。
第1回から数えれば三回めの共演となる植木豪(彼はヴォーカルダンスグループPaniCrewのメインヴォーカル)が実にいい。オグちゃんとの掛け合いの間など、ところどころオグちゃんと三宅裕司のかけあいコントを彷彿とさせる瞬間もある。現在、三宅座長は病気療養中ということもあり、SETをしょってたつのはまさにオグちゃんなのです。
さらに、オグちゃん公演の楽しみともなってきた共演ヒロインは、元宝塚ガールの樹里咲穂。舞台出身だけに実にいきいきとした動きがいい。その上、コントもしなやかにこなしてしまうところなど、素晴らしい。関西出身のDNAなのだろうか。
次回がまたまた楽しみである。オグちゃん、頼むよ!!
2011年8月1日月曜日
ELDAR/ July 31 at Bluenote Tokyo
かつてキルギスタンと呼ばれたキルギス共和国出身のジャズピアニスト。日本では二度目のライブ公演になるという。どことなくスラブとモンゴルの血が入ったルックスは日本人には、親しみがわくところだ。
最初はソロピアノからのスタート。このブルーノートでは何度も「上原ひろみ」の超絶的なソロピアノを目撃してきたが、それに勝るとも劣らないテクニック。また繰り出されるフレージングのドライヴ感、グルーヴは一級品とみた。
二曲目からは腕の確かなベーシスト、アルマンド・ゴラとドラマー、ルドヴィグ・アフォンソが加わりピアノトリオとなる。バラードから変拍子の曲まで、その演奏は見事だった。そういえば、ドラマーのルドヴィグのスペルは「LUDWIG」。面白い偶然だが、米国のドラムブランド、ラディックと同じスペルなのだ。
オリジナルとスタンダードを交互に演奏してくれたが、アンコールは「ベサメムーチョ」。その独特なドライブ感に酔いしれた夜だった。また聞いてみたい。
ひとつ情報。終わってからのライブ案内に、なんと「ジノ・ヴァネリ」公演の情報が。丸の内のコットンクラブで9月中旬にライブをするという。みなさん、お聴き逃しなく。
最初はソロピアノからのスタート。このブルーノートでは何度も「上原ひろみ」の超絶的なソロピアノを目撃してきたが、それに勝るとも劣らないテクニック。また繰り出されるフレージングのドライヴ感、グルーヴは一級品とみた。
二曲目からは腕の確かなベーシスト、アルマンド・ゴラとドラマー、ルドヴィグ・アフォンソが加わりピアノトリオとなる。バラードから変拍子の曲まで、その演奏は見事だった。そういえば、ドラマーのルドヴィグのスペルは「LUDWIG」。面白い偶然だが、米国のドラムブランド、ラディックと同じスペルなのだ。
オリジナルとスタンダードを交互に演奏してくれたが、アンコールは「ベサメムーチョ」。その独特なドライブ感に酔いしれた夜だった。また聞いてみたい。
ひとつ情報。終わってからのライブ案内に、なんと「ジノ・ヴァネリ」公演の情報が。丸の内のコットンクラブで9月中旬にライブをするという。みなさん、お聴き逃しなく。
2011年5月31日火曜日
伊東四朗一座・熱海五郎一座合同公演 「こんにちは赤ちゃん」/ May 29 at Akasaka ACT Theater
2年ぶりの伊東四朗、熱海五郎の合同公演である。今回は、もと宝塚の大スターにして最近は映画やテレビの出演も多い真矢みき。もともと舞台出身の彼女だけに、実に舞台映えのする姿がりりしく、またコメディエンヌとしての才能もなかなかのものであった。
芝居の設定は倒産寸前と思われるテーマパーク。その園長に三宅裕司、パークの地元の市の課長を伊東四朗。そこにタレントを送り込むプロダクションの社長に渡辺リーダー。伊東の妻(?)を真矢みきが演じた。ちょっと荒唐無稽すぎるかと思う脚本だが、そこはベテランの妹尾匡夫。そつなくまとめている。しかも、彼お得意の音楽をネタにしたギャグというかステージが素晴らしい。舞台の見所にもなっている。残念だったのは、おなじみの三宅さんとオグちゃんの掛け合いがなかったこととセリフが歌になってしまうギャグ(伊東さんの十八番)が弱かったことかな。久々の東京軽演劇を楽しませてもらいました。
2011年3月18日金曜日
国民の映画/ March 16 at Parco Theater
東日本大震災の影響で、数日前には休演となっていたが16日からの再開初日の舞台である。計画停電ではないが大幅な節電のおかげで、東京一の繁華街であるはずの渋谷駅は真っ暗に近い状態。たったひとつの地震がここまで世の中を変えてしまうとは、改めて自然の偉大さを思う。
冒頭、作者の三谷幸喜が舞台にあがり、こんな時期だからこそ舞台人として、芝居を続けたいというメッセージを話すと客席からは大きな拍手が起こったのだった。
ヒトラー時代の宣伝相ゲッペルス(無類の映画好きで知られ、風とともに去りぬが大好きだったという)が自宅でパーティを開く話。当時のドイツの映画人達(ほとんど実在の人物たち)が招かれ、その目的を知らされるのだが。。。ゲッペルスには小日向文世、映画監督ヤニングスには風間杜夫などなど、一流の演劇人たちの演技に酔いしれた夜だった。
そうそう、三谷幸喜が始めた劇団「東京サンシャインボーイズ」出身の俳優、小林隆。いかにも舞台向きの名優になってきた。
2011年2月22日火曜日
Kyle Eastwood/ February 11 at Blue Note Tokyo
この10年で一番油の乗り切っている映画監督といえば、クリント・イーストウッドだろう。今やアカデミー賞の常連となった彼だが、何十年もの間実力がありながらハリウッドから評価されなかったというのだから世の中わからない。
さて、今日はそのクリントの息子でありミュージシャンのカイル・イーストウッドの話だった。最近のクリントの作品「グラン・トリノ」や「硫黄島からの手紙」などの音楽を手がけている。もともとクリントもジャズに造詣が深いことで知られており、そんな父の影響をもろに受けているのだろう。しかし、音楽はそんなクリントの存在をみじんも感じさせない素晴らしい演奏に満ちていた。自らはベーシストであり、今回はピアノ、ドラムス+2ホーンというクァルテット。ときにジャジーにときにソウルフルな演奏は聴き応え充分、ウッドベースの形をしたベース、ギブソンのエレクトリックベース2本を曲により弾きわけるのだが、とにかくテクニックも素晴らしく、センスも確かなミュージシャンだった。ルックスはおやじよりも美男子ではないだろうか。注目に値するベーシストである。
2011年1月13日木曜日
ろくでなし啄木/ January 10 at Tokyo Art Theater
今年は「三谷幸喜 大感謝祭」の年だそうだ。彼もいよいよ50歳なのだ。舞台がみっつ、映画、テレビとかなり力を入れることになるという。その第1弾がこの舞台。藤原竜也、中村勘太郎そして紅一点、吹石一恵の三人舞台である。舞台装置もなかなかユニークだったが、芝居のプロットの面白さはまさに三谷の独壇場。二人が啄木の思い出を語り出す冒頭からサスペンスドラマのような展開に次第に引きこまれていく。休憩を入れておよそ3時間の長さも感じさせない。
藤原竜也の個性も素晴らしかったが、勘太郎のその動きの見事さに魅せられてしまった。さすがに子供の頃から歌舞伎界で育ってきたことはある。ひとつひとつの仕草が歌舞伎の振りのようだ。また吹石の爽やかだが妖艶な演技も見事。
年初めには最高のエンタテインメントとなった。
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