2013年3月24日日曜日

Hiromi Uehara SOLO/ March 23 at Bluenote Tokyo

前回はグラミー賞をとったスタンリー・クラークトリオの一員としてのパフォーマンスだったから、久しぶりのソロである。 彼女のソロ・スタイルにはますます磨きがかかっていて、聴衆をまきこむ雰囲気の作り方とか、彼女の呼吸に観客がついていく、あのプレイの感じは彼女のソロパフォーマンス独特のものだろう。それにしてもあの速さにして、ミスタッチがひとつも聞こえないというのは、どういうことなのだろう。 テクニック的にはまさに世界一のジャズピアニストといっていいだろう。今回はラストに長編「ラプソディ・イン・ブルー」を用意していたが、その変幻自在な演奏とカデンツァに似た部分の圧倒的なプレイにノックアウトされてしまった。まさに日本が世界に誇るべきジャズピアニストである。

2013年3月10日日曜日

ホロヴィッツとの対話/ March 10 at Parco Theater

東日本大震災直後の「国民の映画」、そして昨年の「90ミニッツ」に続くパルコ劇場プロデュースの三谷作品を見てきた。 今回は今や世界的映画スターとなった渡辺謙に演技派の段田安則、高泉淳子そして和久井映見の4人芝居だという。題材は天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ夫妻とその調律師フランツ・モア夫妻が過ごしたある夜のお話だ。天才の名をほしいままにしたホロヴィッツ、そして父がトスカニーニという妻ワンダという強烈なキャラクターたちに翻弄されるや・さ・し・い調律師夫妻の運命はいかに?というような提示がストーリーの中で展開してゆくのだが。。。その結果は? 渡辺謙の実に舞台映えする動き、そして声に圧倒されたと同時に、これまた演技力のある段田、高泉などのウマさにも魅了された。もちろん、三谷作品であるので、これまた洒落たエンディングが用意されている。それは見てのお楽しみ。今日は東京公演の千秋楽だったらしい。至福の舞台であった。