2010年5月25日火曜日

Natalie Cole/ May 23 at Bluenote Tokyo


1970年代、年末に徹夜でバーゲンをする有名な輸入盤ショップが原宿の竹下通りにあった。その名はメロディハウス。学生時代、よくバンド仲間の友人と大晦日にレコード漁りに出かけたものだ。そんな頃、このバーゲンでデビューしたての黒人女性のLPを手に入れた。タイトルは「Imseparable」。そう、ナタリー・コールのデビュー盤であった。確か千円ぐらいの破格値(たぶん、新人だから)だったと思う。タイトル曲やデビュー曲「This will be」の素晴らしさから、かなり聴き込んだことをよく覚えている。
30数年の時を経て、そのナタリーのライブを初めて堪能した。今回公演の最終回ということもあり、上記の2曲はもちろん、「Unforgettable」「A Tisket A Tasket」など、ジャズのスタンダード曲から最後はロックンロールまで、素晴らしい声量とフレージングで楽しませてくれる。あの名盤「Unforgettable」から、なんと15年も立ったとは。時の経つのは本当に早いと感じた。バンドの連中も達者ぞろいで、特に女性のミュージカルディレクターが貫禄十分でカッコよかったこと。

2010年5月16日日曜日

ZAIA - CIRQUE DU SOLEIL / May 11 at Venetian Macau, MACAU


ビジネス出張時に、話題のベネシアン・マカオで上演中のシルク・ドゥ・ソレイユを鑑賞するチャンスに恵まれた。昨年の夏に浦安で見た「ゼッド」以来のシルクだが、どのショーもそのクオリティは素晴らしい。特にレジデントショーと呼ばれる専門劇場のみで行われるものは劇場設計そのものもショーのコンテントに基づいてデザインされているので、内容との一体感は想像以上である。劇場全体がステージと言っても過言ではないほど。前方、上方、後方のすべてでパフォーマンスが繰り広げられる。
このショーは「ザイア」と呼ばれる少女の夢の世界を描いたもので、アジアで初めてのレジデントショーということ。来年、再来年にもラスベガスのようにいくつもレジデントの劇場が生まれる予定だという。いやはや、マカオは今やラスベガス以上のギャンブル&エンタテインメントのメッカになりつつある。ラスベガスの著名なホテル&カジノ、Wynn、MGM Grandなどが大挙してビジネスの軸をマカオに移しているのだという。目の離せない街、それがマカオだ。

2010年5月5日水曜日

Roman Holiday/ May 4 at Galaxy Theater


普及の名作「ローマの休日」を題材にストレートプレイを目指したのが本作。実に挑戦的な企画だが、なかなかどうして素晴らしい出来の舞台であった。新聞記者役の吉田栄作、その友人カメラマンがオグちゃん、そしてアン王女役には宝塚出身の朝海ひかるという3人しか登場しないというユニークな構成。静と動を巧みに組み合わせた演出、そして原作である映画の色彩感、時代性を大事にした舞台で、細かなところにまで心が配られていた(洋服の色や置物、小道具までモノクロームに見えるようデザインされている)。
誰もが見ている映画だけに、登場するシーンも細かくコピーされているらしく、その俳優たちの努力にも脱帽。アメリカ人もびっくりするぐらいのクオリティを誇ってもよいのではないかと思う。脚色、演出を担当したマキノノゾミ氏の才能に今後も注目してゆきたい。

2010年5月4日火曜日

La Folle Journee au Japon/ May 3 at Tokyo International Forum


百万人を集めるクラシックコンサートとして着実に根づいてきたのが、この「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」。
もともとはヨーロッパで盛んなコンサートスタイルらしく、小さいコンサートがたくさん開かれ、そのコンサートをめぐる楽しさがある。
今回、聞いたのは伝説のピアニスト、イーヴォ・ボゴレリッチとポーランドの管弦楽団、シンフォニア・ヴァルソヴィア。今回のテーマ「ショパン」の著名なピアノ協奏曲第2番ヘ短調。独特のスタイルと解釈が有名なボゴレリッチは、今回の目玉のアーティストのひとりだという。第2楽章すべてをアンコールで演奏するほど、5000人近い観客を魅了したボゴレリッチ。その大きな手と個性豊かなスタイルは日本では見られないアーティストであった。
このコンサートは全部で3日間、朝早くから夜11時過ぎまで開かれる。都会でのエンタテインメントとして、今までの日本にはなかったスタイル。こういう文化が根づいてほしいものだ。