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Hiromi Uehara/ December 27 at Bluenote Tokyo

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昨年の秋にサンフランシスコのYOSHI'Sでピアノトリオを見て以来だから、かれこれ1年ぶりだ。アメリカでもその存在感の大きさに実際触れてみて驚いたのだが、今回のソロピアノはそれ以上のパフォーマンスだった。まさにノックアウトされた感じ! 軽いタッチで始まった1曲目はおなじみジョージ・ガーシュインの「I got rhythm」だったが、その変幻自在なリズム、グルーブ、原曲のイメージを損なうことなく、しかしそこにはHiromi Ueharaの音世界が出現していた。その感じを言葉で伝えることは本当に難しいのだが、彼女がいざ演奏し始めると、その世界に観客ひとりひとりが吸い込まれてゆく、そんな感じのライブである。 もとより超絶的なテクニックを誇るプレイヤーではあるが、そんなことをみじんも感じさせない圧倒的な魅力をもったミュージシャンを我々の国が生み出したことを誇らしくさえ感じた。 まさに「21世紀のジャズピアニスト」と呼ぶに相応しいポジションを彼女は確立してしまったのではないか。今年のライブを締めくくるに相応しいクオリティのソロピアノ・ライブであった。3回にもわたるアンコールにも応えてくれた約2時間の体力にも驚愕してしまった。 ひろみ、グレイト!!

Dionne Warwick/ December 16 at Bluenote Tokyo

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今年もとうとうあと2週間。なんといっても今年は女性ヴォーカルの当たり年だった。 8月のマリーナ・ショー、そして、このディオンヌ・ワーウィック。個性は違ってもともに 大御所。期待以上の素晴らしいパフォーマンスを堪能させてくれた。 彼女は思ったより大柄で、その身体と同じくらい大きな声量を聞かせてくれる。 バート・バカラックの名曲を数多く世に送り出したことでも知られているが、レコードでは どちらかというと雲の上でささやくように歌うスタイルに聞こえるが、実は凄い声量に支えられていることがライブをみてよくわかる。とにかく声が大きいのだ。 息子であるヴォーカリスト、デイビッド・エリオット(彼も素晴らしかった)の前座の後、「Walk On By」でライブは幕を開けた。 バカラックの曲ばかりではなく、1980年代にも「Heartbreaker」「I 'll never love this way again」などのヒット曲もちりばめられたステージは、まさにニューヨークのブルーノートにいるような気分にさせてくれる。 昨年、発売したというクリスマス・アルバムから「I'll be home for Christmas」「Christmas Song」も披露してくれたが、エンディングはエルトン・ジョン、スティービー・ワンダーなどと歌った「That's What Friends Are For」で締め括られた。とにかくヒット曲の多いビッグアーティストだということを納得させられた夜だった。

THIS IS IT - Michael Jackson/ November 1 at MOVIX

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Michael, You were the one and only! 「This Is It」、まさにこれが最後のパフォーマンスとなってしまったマイケルの一瞬の輝き。幻のロンドン公演のために用意されたステージパフォーマンスがこんなにも緻密で素晴らしいものだったなんて。神様は何といたずら好きなのだろうか。 それにしてもよくここまで記録を残していてくれたものだ。もともと彼の個人的な記録として撮られていたということだが、まるでこの映画のために撮影された映像と言っても過言ではない。ディズニーの「ハイスクールミュージカル」などの監督であり、今度の公演ではマイケルの共同クリエイターでもあったケニー・オルテガが実に巧みに編集しており、まるで2時間のリハーサルライブを体験したような気にさせる。ダンサー、バンドメンバーの質の高さはさすがマイケルのライブ。ひとりひとりがマイケルを尊敬しきっている感じが、とてもストレートに伝わってきてそれもジンとくる。 3D版の「新スリラー」だけでなく、ライブのためにさまざまに用意された映像を駆使したステージングは、リハーサルのみで終わらせるのが実に惜しい出来映え。アメリカのエンターテイメント業界の実力、層の厚さに新たに感動した。マイケルが3月の記者会見で言った「みんなが聞きたい曲をやる」という言葉どおりに、ヒット曲が満載。ジャクソン5の「帰ってほしいの I want you back」まで飛び出すサービス精神に脱帽した。最後までミュージック&ダンスマンだったのだ。合掌。

SET本公演「ステルスボーイ」/ October 26 at Tokyo Art Theater

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1980年代のいつ頃だったろうか。YMOの「サーヴィス」というアルバムでギャグを披露していたのが若き日のSETの面々だった。その頃からちょっとアバンギャルドなギャグを繰り出すユニークな集団ではあったが、それに加えてクレイジーキャッツ、ドリフターズなどを彷彿とさせる音楽ギャグのセンス、そのレベルの高さには特筆すべきものがあった。そのへんがやはり東京出身の喜劇人。大阪の芸人にはみられない都会的なスタイルをその頃から身につけていたと思う。 その後、日本テレビの「いい加減にします」という伝説のコント番組にて最後の喜劇人、伊東四朗との競演を果たす。その出会いが現在の伊東四朗一座、熱海五郎一座という舞台公演へとつながっているのだ。 さて、そんなSETも今年で創立30周年を迎えた。それを記念する本公演がこの「ステルスボーイ」。結成当初から座付作者として活躍してきた大沢直行の原案をもとに若手演出家として注目されている野坂実が脚色した。二年前の本公演「昭和クエスト」から始まった教育再生三部作のフィナーレに相応しい内容だ。いかにも大沢らしい着眼点から始まり、最後はベーリング海へと物語は進行してゆく。もちろん、SETのこと、ミュージカルアクションコメディという名に相応しい演出は忘れない。最後には座長生活30周年を迎える三宅さんの独壇場を迎えるのだが、これは見てのお楽しみにとっておこう。劇団の看板役者、おぐちゃんこと小倉さんも相変わらず若々しい。まだまだ頑張ってほしいものだ。

Michel Camilo & Tomatito/ September 7 at Billboard Live Tokyo

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ラテンジャズ界の大物、ミシェルカミーロとフラメンコギタリストであるトマティートのデュオライブ。アコースティックピアノとガットギターというシンプルな楽器構成であることを忘れさせるほど情熱的かつ音圧、音量ともに圧倒されるパフォーマンスであった。ラテンの名曲「ベサメムーチョ」やデュオにぴったりのチック・コリア作「スペイン」「ラコスタ」など、1曲1曲が聞き所もいっぱい。ベースやドラムスがない分、彼らのグルーブが直接伝わってくるのだが、とにかくそのリズム感覚の素晴らしさには脱帽だ。特にカミーロの超絶的なテクニックには感動した。ラテンの血なのだろうか。黒人のリズム&ブルースのノリとは違った感覚のリズムを感じる。サンバやカリプソ、レゲなど、ラテンの心地よいノリに酔いしれた70分であった。

ZED - CIRQUE DU SOLEIL/ August 16 at Tokyo Disney Resort

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昨年10月のスタート時から一度は観たいと思っていたシルク・ドゥ・ソレイユの「ZED」。シルクには常設の劇場でしか上演しない固定プログラムと各国の都市を巡演するツアープログラムの二種類があり、この「ZED」は日本で初めての常設プログラムである。日本では今年もツアーの「コルテオ」が上演されており、日本の観客にももはやおなじみのシルクだが、彼らは世界中で同様の上演を数多く行っており、4000人を超えるスタッフを擁する世界的規模のエンタテイメント集団となっている。 さて、「ZED」である。ラスベガスで観た二つの公演も素晴らしかったが、この公演の完成度はそれ以上と言えるかもしれない。人間業とは思えないパフォーマンスの数々、常設劇場ならではの舞台や装置の素晴らしさ、照明や音楽の一体感、どれをとっても世界レベルのパフォーミングアートである。一度では味わい尽くせない贅沢さだ。もう一度、今度は冬に楽しみたいものである。

Marlena Shaw with super friends/ August 1 at Billboard Live

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1975年の名盤「Who is this bitch, anyway?」を一体何回聞いたことだろう。ひとつのすきもない完璧なアレンジ、1曲も無駄のない構成、そして当時の名うてのスタジオミュージシャンによる名演の数々、さまざまな聞き方ができるアルバムだった。開場してからもう2年もたつというビルボードライブ(東京)での二周年記念ライブが、何とこのアルバムの再現だという。 そう、1974年12月にLAで行われたレコーディングに集ったメンバー、ハーヴィー・メイソン、デビッド・T・ウォーカー、チャック・レイニー(今回はメープルのプレシジョンベース)、そしてラリー・ナッシュというスーパーバンドと共にマリーナが登場するだけで会場は興奮に包まれた(これでラリーカールトンが揃えば完璧だったが。。。)。オープニングは「You been away too long」だった。イントロが始まると聴衆全員が曲を認識していた。実にテンションの高いライブである。 マリーナの太く深い声も素晴らしかったが、4人のリズムコンビネーションの巧みさといったら、ちょっと表現できない。ちょうど名人の域に達した落語家の噺に引き込まれている感じといったらいいだろうか。 アルバムの全曲(ストリングスのみによる「A Prelude for Rose Marie」以外)を演奏してくれたが、ライブならではの掛け合いや「Street Walking Woman」の有名なバーでの会話をハーヴィーとマリーナが再現するなど、バラエティ溢れる内容だった。宣言しよう。まちがいなく今年で一番のライブステージ! ああ。もう一度聴きたい!!