2009年2月20日金曜日

夜の来訪者/ February 20 at Kinokuniya Theatre


日本でも長い間上演されているサスペンス劇の傑作。思い出してみれば高校の演劇鑑賞で見た芝居ではないか。今となっては記録もないので俳優座の公演だったと思うのだが、俳優の名前もほとんど覚えていない。が、強烈な印象が残った名舞台だった。
さて、2009年度版は、司会などもこなす名優、段田安則の演出によるもの。芝居のプロットがよくできているので、あまり過剰な演出はなくとも十分に見応えがあるのだが、その辺はさらりとした印象だ。中でも存在感を示していたのは、父親役の高橋克実(どうもボキャブラ天国のボケキャラが浮かんでしまうのだが)と長女役の坂井真紀。テレビで見るよりも魅力的な役者たちだった。それに反して、どんな役も絶妙にこなす八嶋智人は今回ちょっと空回りかな、という印象だった。原作はイギリスの話なのだが、まるで日本のオリジナルのように聞こえるのは不思議だ。
とにかく、今見ても古さをいっさい感じさせない第一級の舞台劇といえるだろう。

2009年2月1日日曜日

Christian Scott/ January 31 at Bluenote Tokyo


日本初のライブとなったクリスチャン・スコット。モードジャズ風なイントロで曲が始まった。最初はなかなかその個性が見えにくかったが、曲が進むうちに若い頃のウィントン・マルサリスを彷彿とさせるようなフレージングをかいま見せる。ニューオーリンズ出身の若き才能という触れ込みもなるほどかな。バックを支えるミュージシャンも達者ぞろい。リズムセクションのベース、クリストファー・ファンとドラムス、ジャマイア・ウィリアムスは特に素晴らしかった。曲はほとんどオリジナルだったので、アンコールの「ブルーモンク」はホッとしたと同時に、バンドの真の実力が発揮されたナンバーだった。今後が楽しみだ。