2009年3月21日土曜日

Tatsuro Yamashita/ March 21 at Omiya Sonic Hall


 1973年9月21日、文京公会堂(その後建て直され、高層の文京シビックセンターというビルの中に入りシビックホールという名前になる)。初めてタツローさんのライブ姿(そのときは大瀧詠一バンドのコーラスだった)を見たのは、はっぴいえんどのラストコンサート「Last Time Around」のステージだった。今から36年も前の話。その後シュガーベイブを経て、彼のソロパフォーマンスを何度も見てきた。
 今回は6年ぶりのパフォーマンス。久々の本格的な全国公演で、昨年末から5月まで全50回に及ぶという。ライブでの音楽性にもとことんこだわるタツローらしく、今回のステージ選曲や舞台装置など、練りに練った構成で楽しめる。新しく加わったドラマーとセカンドキーボードも実力者で、バンドに自然に溶け込んでいた。ごきげんなリズムセクションで、自由自在なグルーヴ感が素晴らしい。聴き応え、ノリ応えのあるバンドといえよう。
 彼のライブのもうひとつの魅力といえば落語にも通じるようなトークだが、さすがにこのごろは、綾小路きみまろではないが(!?)年齢の話題もネタにしている(笑)。ただ、彼やユーミンといった同世代のミュージシャンが今も頑張ってライブの現役でいること。そして、そのライブを我々も同時に体験できるとは何と幸せなことだろう。アカペラを含む3時間を超えるエネルギッシュなステージは、円熟味とプロフェッショナリズムに裏打ちされている。でも最後のDowntownにはいつも涙が出てしまう。昔のように、今度はライブハウスで聞きたいものだ。

2009年3月5日木曜日

JAZZ 6 PIANOS/ March 5 at Tokyo Metropolitan Art Space


ジャズピアニスト6人によるライブ。提唱したのは村上ポンタともグループを組んでいる佐山雅広。佐山の呼びかけで大御所、山下洋輔、アレンジャーとしても著名な島健、最近充実した活躍をみせる貴公子、塩谷哲。ユニークな活動を続ける小原孝、そして紅一点、国府弘子というぜいたくな顔ぶれが揃った。2005年に始まったこのライブ、年を追うごとにプログラムも充実してきているらしく、今年のシリーズは昨年から今年にかけて12公演も組まれているとのことだ。
まず6台のピアノの音の厚みに圧倒される。6人それぞれのピアノスタイルも楽しい。何を弾いても山下らしいプレイ。オルケスタデラルスで10年間プレイしていた塩谷も多彩な技をみせる。二部構成のステージで、2時間半のステージは聴応えも見応えもたっぷりだ。国府のアレンジによる「TAKE FIVE」、塩谷編曲の「ボレロ」そして、ラストの「ラプソディ・イン・ブルー」(佐山アレンジ)はアレンジャーの個性も豊かに楽しませてくれた。圧巻は「ラプソディ〜」。佐山は時折指揮もまぜながら、この大作を6台のピアノの特質を引き出しながら実に上手に料理していた。極上のフレンチを味わった気分!ブラボー!!