2008年5月23日金曜日
Nobuhiko Kobayashi/ 定本日本の喜劇人
映画演劇に関する分野での名著、「定本日本の喜劇人」が再編集され、二分冊という形で発売された。この30年間にわたる日本のコメディ系譜を知るには唯一のバイブルである。
小林信彦氏のエンターテインメントについての批評眼を長年信じてきたが、いまだに彼が第一人者というのもさびしい気がするのだが。。とはいえ、「森繁病」など彼独特の言葉遣いやプライベートでも付き合いのあった渥美清とのさまざまなエピソードなど、独特の観察眼を生かした文章からコメディアンたちの素顔が垣間見えることも、また魅力といえよう。
この版の売りは、これまでに出た喜劇関係の本「おかしな男渥美清」「笑学百科」なども組み込み、喜劇人篇とエンターティナー篇に分けたこと。そして、初めて本になった「これがタレントだ」を収録したことだろう。「真のコメディアンは舞台から出てくる」という彼の言葉は、今も時代を越えて生きている。彼が「最後の喜劇人」と呼んだ伊東四朗の舞台がまもなく始まる。今年も劇場通いはやめられそうにない。
そうそう、小林信彦といえば、大瀧さんのコラムも忘れられない。
2008年5月19日月曜日
Leon Russell/ May 17 at Billboard Live
伝説のミュージシャン、レオン・ラッセル御大を生で見るのは初めて。最近リリースされたベスト盤のジャケットとよく似た太めの体型。アロハシャツに杖をついてステージに現れるところなんぞは、まさに彼らしいではないか。今回は、ドラムス、ベース、ギターの3リズムに、レオンのピアノ(ローランド)そして、盲目だがブルージーで最高だったオルガン奏者、ブライアン・リーという5人編成。
ブルースやシャッフルビートを中心とした選曲で、MCもなしにひたすら曲を演奏し続けるというスタイル。終わってみれば、なんと1ステージで20曲もプレイしてくれたのだ。オープニングは、ご存じ「Delta Lady」。日本では間違いなく彼のNO.1ヒットであろう「A Song For You」は、ブルージーなオルガンとピアノのデュオ。それにしても、オルガンのブライアン、メチャメチャうまかったです。こういう人がいるから、アメリカはまだまだ侮れませんな。
エンディングの方では、「Jumpin' Jack Flash」や「Roll Over Beethoven」など、ノリノリのR&Rでわかせてくれました。レオンのピアノは、やはリニューオーリンズの香り漂うスタイル。久々に骨太のロックを堪能させてくれましたよ。
2008年5月5日月曜日
Hisahiro Ogura/ May 5 at Tokyo Metro Art Space
オグちゃんこと、小倉久寛の初独り立ち公演、『Paper Eccentric Theater 踊る!職業不安定所』。とにもかくにも、トップビル(主役)看板におめでとう。今や、テレビドラマの貴重な脇役の一人であり、またテレビレポーターとしても大いに活躍中のオグちゃん。とはいえ、やはり彼の魅力はSETをはじめとする舞台である。
今回は彼が職業紹介会社に登録して、いろいろな職業に挑戦する。その職業にチャレンジする場面がすべてコント仕立てという趣向だ。そのコントもラサール石井、妹尾匡夫、寺脇康文らの提供によるもの。中でも、妹尾の書いた「引っ越し屋」というコントが秀逸であった。
また、オグちゃんの人望なのだろう、日替わり、いや公演ごと(一日2回公演も二回あるのだ)に豪華なゲスト(三宅裕司、萩本欽一、伊東四朗、南原清隆等々!!!)が出演している。今回は、戸田恵子さんがゲストであった。オグちゃんを支える若手も芸達者で、植木豪、蘭香レア(美人!!)はコントも達者にこなす。
圧巻は、エンディングを飾るストリート&ヒップホップダンス!53歳(私と同い年なのだ!)とは思えない、オグちゃんの動きにホントに涙がでそうになった。
一番心に残った言葉。「できる、できないじゃない。やるか、やらないかだ」
オグちゃんから、生きる元気と勇気をもらった舞台であった。
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