
映画演劇に関する分野での名著、「定本日本の喜劇人」が再編集され、二分冊という形で発売された。この30年間にわたる日本のコメディ系譜を知るには唯一のバイブルである。
小林信彦氏のエンターテインメントについての批評眼を長年信じてきたが、いまだに彼が第一人者というのもさびしい気がするのだが。。とはいえ、「森繁病」など彼独特の言葉遣いやプライベートでも付き合いのあった渥美清とのさまざまなエピソードなど、独特の観察眼を生かした文章からコメディアンたちの素顔が垣間見えることも、また魅力といえよう。
この版の売りは、これまでに出た喜劇関係の本「おかしな男渥美清」「笑学百科」なども組み込み、喜劇人篇とエンターティナー篇に分けたこと。そして、初めて本になった「これがタレントだ」を収録したことだろう。「真のコメディアンは舞台から出てくる」という彼の言葉は、今も時代を越えて生きている。彼が「最後の喜劇人」と呼んだ伊東四朗の舞台がまもなく始まる。今年も劇場通いはやめられそうにない。
そうそう、小林信彦といえば、大瀧さんのコラムも忘れられない。

