2014年12月8日月曜日

伊東四朗生誕77周年記念〜吉良ですが、なにか? / November 30 at Honda Theatre

同じ下北沢・本多劇場で70周年の舞台「社長放浪記」からもう7年。ついこの前だったと思うのだが、実に時の流れは加速度がついている気がする。。 同じ三谷幸喜の脚本だが、今回は演出がラサール石井。三宅さんやオグちゃんが出ていないのはちょっと寂しい気もするが、さすがにコメディのプロたちが作った舞台。見応えは十分だった。 忠臣蔵の悪役として知られる吉良上野介を伊東さんが演じるのだが、あれれ???なんで??? と思うのだが、自然に話が展開してゆく。。。あとは、舞台をみないとわからないので、ここまで。 脇を支える出演者も伊東さんの息子、孝明をはじめ、鶴瓶の息子、駿河太郎などの若手もいい味をだしている。ただ、さすがなのは戸田恵子だ。いかにも世の中にいそうなキャラクターを実に上手に演じている。今回は一番美味しい役かもしれませんね。年末の演し物にふさわしいテーマの芝居でした。

2014年10月9日木曜日

大貫妙子 40th anniversary live encore/ September 19 at Billboard Live Tokyo

3月に東京国際フォーラムで開かれた40周年ライブのアンコール版。3月はキャラメル・ママという豪華なゲストつきだったが、今回は彼女のいつものバンドのみ。それでもテクニシャン揃いのライブは実にすばらしかった。キーボードはレザパネと森俊之、ギターは小倉、そしてドラムは林立夫と沼澤尚。ベースは鈴木正人という構成のバンドは10年近く彼女のバックを担当しているだけに、空気も共有しているような一体感のある演奏を繰り広げた。おなじみのヒット曲から、書いたばかりの新曲まで約90分に及ぶライブを堪能しました。彼女を初めてみたのは、1973年9月21日のはっぴえんど解散コンサートだから、今から41年も前なんだ。はるかな時を思う。

2014年9月20日土曜日

てんぷくトリオのコント〜井上ひさしの笑いの原点/ September 15 at TOYOKAN

作家井上ひさしの原点とも言われる150に及ぶコントを集めた舞台。 ワタナベエンターテインメント所属の「我が家」が演じ、ラサール石井 が演出した。井上ひさしが始めた劇団「こまつ座」の公演として開かれた。
池袋の劇場でのバージョンと、浅草東洋館のバージョンがあり、その東洋館 を見に行った。この東洋館はあの伝説の「浅草フランス座」というストリップ 小屋であり、ここから井上ひさしはもとより、渥美清、ビートたけしといった のちの大スターが実際に演じていた場所なのだ。 劇場は小さいが、そこにしみついている匂いというか、空気というか、独特の 空間であった。感慨深い。
さて、コントだが、我が家が実に楽しそうに演じていた。コントとコントをつなぐ 幕間の台本があって、井上ひさしと三女で現在こまつ座の座長である井上三紀が いろいろな話をつないでくれる。この本はラサールのものらしく、8月のオグちゃん の舞台脚本もそうだったが、実によい仕事をしている。 12月には御大伊東四朗のひさしぶりの舞台の演出も手がけるそうで、まさに油に のった仕事ぶりが楽しみだ。

2014年8月30日土曜日

君となら/August 30 at Parco Theater

三谷幸喜書き下ろしの一幕もの。ホームコメディなのだが三谷ならではのプロットの 組み立てによってだんだんと事態が混乱してドタバタ劇になっていく。 コメディもの初主演の竹内結子がまぶしいくらい美しい。コメディエンヌとしても 一流であることを証明した舞台といえるだろう。 脇を固める俳優陣も豪華で、似つかわしくない床屋の親父に扮している草刈正雄、 妹役のイモトアヤコ、母親役の長野里美らのサポートも実にいい味を出している。 特にイモトアヤコは以前にTBSの特別ドラマでの演技で注目していたが、 珍獣ハンターにしておくのはもったいないほどコメディの才能があると思う。 竹内のフィアンセ役を演じた小林勝也は文学座出身の大ベテラン。彼もこの家族に うまくとけ込んでいるだけでなく、エンディングでは彼の存在が見事に際立つ場面も でてくる。2時間にわたって笑い通しの舞台であった。三谷喜劇の 真骨頂ここにあり。12月の伊東四朗の舞台も楽しみ。

2014年8月10日日曜日

小倉久寛ひとり立ち公演 Vol.5 「のるかそるか〜SINK or SWIM!」」/ August 10 at Theater Moliere

おぐちゃんのひとり立ち公演もとうとう5回目となりました。 その回ごとにテーマを練り、また素敵なヒロイン役が起用されるのを楽しみに見てきたが、 今回はあのMIEちゃん。なんとそればかりかギタリストの押尾コータローがゲストだという。 ますます期待が高まる。 いままでの公演の中でも今回は白眉の出来といっていいのではないか。ラサール石井の脚本の巧みさ、ミーの華やかなムード、そして意外だったのがコントと踊りに挑戦した押尾コータローの達者ぶりである。いや、今後もこういうジャンルにぜひ挑戦してもらいたい。新たな才能の発見かもしれないのだ。。。 昔ジョージロイヒルの傑作「スティング」という詐欺師の映画がアカデミー脚本賞をとったことがあったが、今度の作品も主人公は詐欺師ということで、とにかくプロットが面白い。次から次へと暴露される真実。。。これはみてもらうしかないが。。。とにかく絶対面白いこと間違いなし! ますます油ののった作品作り。オグちゃん、まだまだみせてくださいな。

2014年6月20日金曜日

熱海五郎一座「天然女房のスパイ大作戦」/ June 15 at Shinbashi Enbujyo

10周年を迎えた熱海五郎一座がとうとう新橋演舞場に進出。多少空席はあったが、ほぼ満員の客席。今回の女性ゲストは元宝塚の朝海ひかると科捜研でもおなじみの沢口靖子の二大女優。沢口はすでに伊東四朗、三宅裕司とのコントライブ「いい加減にしてみました3」でもコメディデビューをしているが、今回も天然なボケを活かした役どころ。なんとも可愛いのだ。ストーリーは平板だったが、コントとしての見どころも多く安定したコメディとなっていた。今年はいよいよ御大、伊東四朗も本多劇場に登場とのこと。東京喜劇としては充実の年になりそうだ。

鈴木茂「BAND WAGON」Live / May 13 at WWW

鈴木茂のライブをみたのは30数年ぶりではなかろうか。美しいトーンとスライドギターの音色は昔と遜色がなく、また「バンドワゴン」全曲を演奏するという試みも初めてだとのこと。70年代のアルバムではあるのだが、今でも古さを感じさせない名曲揃いである。おまけにラストははっぴいえんど時代の曲まで飛び出し、「さよなら通り3番地」や「花いちもんめ」がはじまると会場中が大合唱! はっぴいえんどの偉大さを再確認したライブなのでした。

SING LIKE TALKING/ April 20 at MAIHAMA Amphitheater

ピアニストの塩谷哲とソウルフルなヴォーカルの露崎春女のライブだというので、来てみたらなんと「シングライクトーキング」でした。もともと塩谷と露崎との付き合いが長いらしく今回のツアーではほぼ固定メンバーとして活動しているらしい。知りませんでした。また、このグループのライブは初めてでしたが、なかなかセンスの良い楽曲そろい。知る人ぞ知るバンドらしく、特にヴォーカルの佐藤竹善は単独で活動もしているそうです。なかなか楽しいライブでしたが、ライブの会場が昔シルクドソレイユの劇場だったこともあり、その仕掛けをうまく使った演出もあって楽しめた。

2014年4月18日金曜日

An Evening with Burt Bacharach 2014/ April 10 at NHK Hall

御年85歳になるアメリカ音楽界の大御所。今回はオーケストラとの共演ということで珠玉のヒット曲のオンパレード。もちろんコアのリズムセクションはアメリカから来ているメンバーだが、コーラスの三人がうまいのなんの。ひとりずつでもソロをはれるぐらいの実力の持ち主ばかりである。このへんがアメリカのすそ野の広さを感じさせる。JosieとDonnaが女性で、Johnが男性。ただ、キーボードのビル・カントスも時々味のある歌を聞かせてくれた。もちろん、バート自身のハスキーな声も魅力いっぱい。 次から次への出てくる名曲の数々。やはり偉大なコンポーザーなのでした。

2014年1月13日月曜日

Edmar Castaneda & Gonzalo Rubalcaba -DUO-/ January 12 at Blue Note Tokyo

キューバの天才ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカーバは以前同じブルーノートで聞いたことがあるが、今回は南米コロンビアのこれも天才ハープ奏者であるエドマール・カスタネダの珍しいデュオプレイ・ライブ。シンプルなだけにひとりひとりの力量が問われるのだが、とにかく驚くほどのプレイに1時間半酔いしれた。 「アルパ」と呼ばれる南米のハープはクラシックのハープより一回り小粒だが、独特な音がする。基本はDマイナーのチューニングになっているようだが、とにかくこの楽器をつかってメロディはもとより、伴奏、ベースを一度に演奏するエドマールのテクニックはすばらしい。ゴンサロとは世界中で一緒に演奏しているらしく、二人の息もピッタリ。一日だけのライブということもあり、観客もアンコールを二度要望。1回目はアルゼンチンの巨人、ピアソラの名曲「リベルタンゴ」。2曲目はスタンダード「枯葉」。とにかく素晴らしいライブでした。

MUZA JAZZ NIGHT/ January 5th at Muza Kawasaki Symphony Hall

数年前に池袋の東京芸術劇場でみたことがあるジャズピアノ連弾。6人のジャズピアニストが演奏するユニークなコンサートである。佐山雅弘、小原孝、佐藤允彦、に加えておなじみの国府弘子と塩谷哲という豪華な布陣。今回の6人目に加わったのは、日本ジャズ界の至宝、秋吉敏子。なんともぜいたくなピアノコンサートでした。秋吉の代表作である「ロング・イエロー・ロード」をはじめ、聞き応えのある「ラプソディ・イン・ブルー」は圧巻だった。それぞれがおしゃべりも上手なひとたちなので、コメントも面白かったのです。

HIROMI THE TRIO PROJECT/ January 1 at Blue Note Tokyo

新年の年明けにふさわしい上原ひろみトリオが聞き初めになりました。 今回はおなじみのアンソニー・ジャクソンに加えて、英国出身でTOTOのドラマーでもあったテクニシャン、サイモン・フィリップス。とにかくテクニックのある3人なので、めまぐるしい展開も何のその、複雑な変拍子がからむ曲が多いのだが、どれも完璧な演奏。上原ひろみは、あえてこのライブを新曲だけで構成しようとしたらしい。いつもチャレンジャーな彼女らしい。 ソロピアノのライブも大感激だが、今回のトリオは今までの彼女のプロジェクトの中でベストのものかもしれない。今年も頑張れ「ひろみ』!